DALI通信の特徴

  •  1 つのマスタから,スレーブを最大 64 台接続可能
  • 2 線式,半二重,1200 ±10 %[bit/sec] の通信
  • ネットワーク化でスレーブのグループ化が可能

最大 64 のショート・アドレス

最大 16 のグループ・アドレス

  • 254 段階(8 ビット精度)の調光レベル,任意の調光レベルをシーンとして 16 個まで保存または切り替え可能

DALI通信の主な特徴を記載してみましたがその中で一番大きな特徴が1つのマスターで64台のスレーブしか接続できないことと通信速度が遅いことです。DMXのシステムを利用したことのある方は、この2点でDALI って使いがってが良くないんじゃないといわれる方が多くいます。照明制御システムも使用する環境・場所・工法によってシステムの特徴が変わることを理解すれば納得していただけます。
DALIは、蛍光灯のPWM調光の次の世代の調光の仕組みとして作られたということです。蛍光灯の調光は、位相調光から信号線式の調光として1−10Vからパルス調光のPWMとして発展してきました。現在の蛍光灯の調光は、ほとんどがPWM調光が使われています。

DALIは、マイコンの発達と共に開発されました。前段階の調光方式は、1−10Vから電圧降下に強いPWMへ、調光器から器具に調光信号を供給する1方向の制御方式でした。その後、蛍光灯のインバーター制御が発達するとともに蛍光灯のバラストにマイコンが搭載されるようになってきました。次の世代の調光方式は、当然、マイコンの利点を最大限利用することになったようです。254段階の調光レベルや双方向の通信方式など、多いにマイコン通信の利点を利用しています。この為、調光器の方にもマイコンが搭載されるようになっていきます。

DALIの大きな特徴として単純な調光制御から個々の個別調光制御や玉切れ検知とか故障診断とかができるようになりました。


DALIとは

DALI(Digital Addressable Lighting Interface)は、IEC60929により蛍光灯の調光バラストの制御方法としてPWM調光方式の次の世代の調光方式として規格化されました。この制御規格は、今までの操作器からの制御信号による**%から100%へ照明を調光する方式からマイコンを内蔵した操作器とマイコンを内蔵した照明器具の間を双方向通信するという方式に変更しました。この規格は、LED照明が発達した現在、国際オープンの照明制御通信プロトコルとして主に複数の蛍光灯やLED 照明の調光を行うために使用します。現在、IEC62386により異なるメーカの製品間でも通信できるように規格化されました。
ヨーロッパを中心に照明制御のオープンな規格は、演出照明の分野のDMX・一般照明(BA)制御の分野のDALIの2つの方式を利用されています。


プロジェクトにとってのメリット

・ž高度な柔軟性のある照明演出と操作性の向上
ž・多くの制御方式による省エネ
ž・将来性を考慮、多くの商品選択によるコスト削減
ž・工事品質の向上、改善。工事方法の改善によるコスト削減。小施工。
ž・利用ニーズに合わせたシステム変更が容易。簡単なトラブルシューティング


オープンネットワーク化

エネルギー管理や省エネが重要視されているビルディングオートメーションシステムにおいて、空調や監視システムは、BACnetやLonWorks Ethernetなどオープンなプロトコルが採用されている
これは、従来に比べて安価なコストで自由度が高いシステムが構築できるからである。
DALIは、同じオープンな規格として照明制御のサブシステムに採用されている。


DALIの目的

エネルギーコストの問題、地球温暖化対策に対する電気機器の消費電力低減化(省エネルギー化)への取り組みが各分野で進められております。
特に照明器具は、白熱球から蛍光灯への置き換え、インバータ制御により効率は向上し、調光機能の使用で周囲の状況に応じた照度調整を行う事で、消費電力の低減や付加価値の向上が期待されています。
さらに消費電力を低減するLEDを使用した照明は、高輝度LEDの進化により本格的に普及し始めました。
高機能なLED照明では、調光・通信など、いろいろな制御が必要で有り、これに対応するシステムが求められます。

DALIシステムは細やかな調光制御と様々な通信に柔軟に対応させることを目的にした規格です。
調光による消費電力低減の実現、細やかな照明の調光により空間演出も可能とします。
幅広く様々な通信に対応することにより、他のシステムとの連動を可能とし、省エネルギー・操作性・保守性を備えたシステムが構築出来ます。